ORIGINAL LEATHER

23FWコレクションのキーアイテムとなっているレザーコレクション。

このレザーは兵庫県たつの市にあるタンナーさんとのご縁をいただいたことがきっかけで生まれました。

レザーは経年も楽しめてメンテナンスをすれば長く愛用ができ、程度に伸びるので着用する人の頭のカーブにもフィットしてくる。。。帽子には何てピッタリ!

 

 

工場の近くを流れる川。長閑な場所。

 

タンナーと呼ばれる革工場では鞣しから染色、加工まで行っているので直接希望をご相談することができました。

①帽子はカーブも多く、縫製箇所が細かく、何枚にも重なる部分が多いのでレザー自体が厚いとミシンの針が通らないこともあるし被り心地にも影響するので1mmの厚さにあらかじめ漉いて欲しいこと。

②漉いてから染色をするため最小限の染料に抑えられること。

②手触りが滑らかで微光沢であること

③牛革でありながら女性らしいしなやかな柔らかさがあること

 

工場マニアがそそられる光景。

 

 

職人でもある社長さんからたくさんのことを教えて頂きました。

レザーというものに対しても賛否が分かれる昨今ですが、食肉として加工された牛皮は副産物としてゴミになってしまうのだけど、それを活用するために生まれたのがレザー。

そしてレザーにならなかった皮は焼却処分せざるおえず、そこでまた環境への影響も少なからず出るわけで。

ビーガンでもなく美味しくお肉をいただいている身としては最後まで捨てずに活用できるならそんないいことないじゃんって個人的には思っています。

合皮の技術もかなり良くなってきているのでその分本革の需要は低迷し、今では10年前の9分の1までお仕事が減ってしまっていること。とても真摯に愛を持って向き合う職人さんと工場さんを応援したいし、その結果良いものが作れるならレザーコレクションを続けていきたいと考えています。

 

丁寧に1枚づつ仕上げられたレザーたち。

 

 

今回のオリジナルレザーは日本製のA 級生革を使用しているので生前の傷などが少ないお淑やかな牛さんの革です。きめの揃った綺麗なレザーに仕上がっています。

カラーは現場を見させていただいてその場で決めました。

 

・ハードになりすぎてしまうことが多い真っ黒なレザーではなく、限りなく黒に近い茶色=MOSTDARKと名付けたオリジナルカラー。

・その日着けていた、愛用のヴィンテージのレザーベルトのカラーを再現した=CAMELカラー

・鞣したままの色=WETBLUEと呼ばれている生成りの色。

 

過去の色見本から理想に近いものを探すが。

結局MOSTDARKは存在しなかったので見本がない中色出しから進めていただいた。

 

このWETBLUEが美しすぎて・・・・

アラも何もかも隠すことができない透き通るような素の色はなんと淡いブルー。

「WETBLUE」と言葉では聞いたことはあったけど見るのは初めてだったので鞣上がりの佇まいに惚れてしまいました。

 

鞣上がりは青みが強い

オイルなどの加工を入れる前はポヨンポヨンで気持ち良い。

 

 

たつの市の後に行った京都のステイ先の土壁がとても綺麗で、このWETBLUEのハギレと合わせてみたら最高の組み合わせ!

この偶然の出会いが今シーズンのキーカラーとなるWETBLUE と SOIL になりました。

 

この土壁の色に一番近いリサイクルウールのメルトンを探し出して、組み合わせてCORNISHを仕上げています。

 

美しいオリジナルレザーを帽子に仕上げてくれたのは私が帽子を始めた時からお付き合いしてくださっている九州の帽子工場さん。

早18年もの付き合いになる信頼の工場さん。

 

あらかじめちょうどよい厚さに漉いているため、本来帽子には必須の接着芯も最小限に抑えられています。レザーの持つ張りを自然に生かすことができているためより馴染みやすくなっています。

レザーで帽子は本当に縫製が難しい・・・ありがとう工場さん・・・

仕上がるまでにも大変なことが多々ありましてやっと納得するものが完成し、お取り扱い店舗様にお届けできています。

もし機会があれば是非手に取って頂きたいです。

カラーも被り心地も、シルエットも。

最高の仕上がりになっています。

 

CORNISH

SUPEL

 

 

 

レザーってハギレもいっぱい出ます。

伸びやすい部分は使えず、真ん中のところだけを使うので、SUPELとCORNISH分を裁断して、残った中でも良いところをカチューシャに。

 

SHANA (オンラインストアでは発売はございません。お取扱店様で発売となります。)

 

そしてさらにその残りは来年のコレクションでちょっとした飾りなどに使用することにしました。

また次のコレクションもお楽しみに。

 

MIKA KASAI